雨と涙のフルマラソン vol.3

@コースマップ

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スタート位置は

エントリー時の自己申告のタイムによって

ブロック分けされとる。

速い人程前に並ぶSTEEELO 

1万人超えの群衆が一斉にスタートすれば

始めの数キロは渋滞。

兎に角、雨で身体が冷えてくる。

 

 

 

 

渋滞が解消されると、

興奮やら雰囲気で周りのペースが

早くなるから絶対にオーヴァーペースなる。

つられたらいかんよ。

@職場のアスリート

 

 

 

これだけは忠実に守った。

お先にどうぞSTEEELO で

気持ちイイくらいズコバコ抜かれていく。

それでエエんよ。

て言うか@コッチャン

土砂降りに強風がfeat して

それどころじゃねええ。

 

 

 

小柄なGALとか風で身体が

流されたりしとるやねえか。

バッチバチの雨で路面にも水溜まり。

でも当然、誰も止まらないし

ひたすら前に進む。

皆どんだけ意志が固いんか。

 

 

 

 

そんな大雨の中でも

沿道の人達が大声で声援を

浴びせてくれる。

なんやこの人の温かみは。

ボランティアスタッフの数だって

尋常じゃないくらい配置されてる。

音楽聴こうなんて気にならん。

 

 

 

イーブンペースで42.195kmを

走り抜くなんて到底無理な話で

絶対何処かでペースが落ちる。

それなら最初からペース落として

後半から巻き返そうって具合で

兎に角意識的にペース落として走る。

 

 

 

応援が凄い。

楽器演奏して踊ってるキッズも居る。

ヨロヨロのバアちゃんが手を振ってくる。

バアちゃんこそ頑張ってくれよ。

でもありがとう。

 

 

 

おそらく彼氏か旦那が通るのを

心配そうな表情で雨の中待つGAL。

綺麗な愛やねえか。

あの表情はタマランよ。

 

 

 

 

子供連れたマダムが一生懸命に

お父さん頑張れえええええ

とか、なんかもうタマラン。

玉が乱れてくる。

 

 

 

雨やから、尚更刺さる。

 

 

 

寒さと雨で半袖で走ってる

GALの二の腕が赤くなってる。

素晴らしく美しい。

 

 

 

序盤から膝をかばいながら

身体傾いて走ってるオッサン。

それでも出たかったんやろう。

 

 

 

感情に訴えかける様な口調で

前を通るランナーに目を合わせて

声援を放るマダム。

 

 

 

雨の中走ってカッコいいぞっっ@マダム

 

 

 

これはMAJIでクラシック。

この言葉を送られたランナーは

本当にやる気が出たハズ。

かなりグッときた。

マダム有り難う。

 

 

 

それでも雨と風は容赦ない。

 

 

 

アッと言う間に中間地点を通過。

あと2時間で終わってしまう。

時計見たら、予定より遅い。

どうしよ。

 

 

 

とか考えてたら

25km地点くらいで脚が重たくなった。

ちょっとペース落として

ラスト10kmからの追い上げに向けて

ひたすら静かに走る事にした。

 

 

 

 

 

 

 

途中の応援が少ないエリア。

ランナー達は無言で走る。

雨に濡れた足音だけが静かに鳴る。

 

 

 

何故か喘ぎ声みたいなん

出しながら走るオッサン。

 

 

アッアンッ アッアッ ハァンッ

 

 

喘ぐなら他でやってくれ。

 

 

何故か私は着地する度にオナラが連発。

明らかに周りに聞こえてるけど

気にせずオナラでビートを刻む。

 

 

喘ぎ声を出すオッサンとの即席セッション。

 

 

アンッ ブゥッ アッ ブリッ アッブッ

 

 

 

 

 

 

30km地点。

よく言われる30kmの壁。

確かに、歩き出す人とか増えてきた。

1回歩いてしまったら

そう簡単には走り出せんのは

ノトーリアスな周知の事実。

ココもただただ耐える。

 

 

 

補給所では美味しそうなモンが

提供されてるけど、

さすがに走りながらは厳しい。

前半は食い意地張って

色んなモンを頬張ってたけど

後半はひたすらバナナを貪り倒す。

バナナGAL からバナナを受け取る。

 

 

バナナ × GAL は美しい。

 

 

 

そのおかげで

エネルギー切れにはならんかった。

紙コップは潰して流し込む。

 

 

 

残り10km地点。

海沿いのドギツイ向かい風と雨。

そろそろペース上げんと間に合わん。

仕事終わりに走ってる距離と同じ

って事が少しだけ安心させてくれる。

もしかしたら、

ギリッギリ間に合うかもしれん。

この終盤の為に、ずっと無理せずに

耐えてきたんやないの。

雨具を脱いでスタッフに渡した。

雨と風が冷たく突き刺さってくる。

脱ぐのちょっと早かったけど、

シャカシャカ鬱陶しかった。

 

 

 

沿道でブッ倒れてるランナー。

スタッフが必死に声を掛けながら

救急車の到着を待っとる。

低体温症らしい。

そりゃそうよ、強烈な風と雨。

脚動かんくなって歩いたら

体温は下がっていくだけ。

けっこう過酷で危険な競技かもしれん。

そんな光景を何度か見た。

 

 

 

無理したら身体は壊れるけど、

無理せんと完走はできん。

 

 

 

残り5km地点。

絞りカスまで出し切れば間に合いそう。

脚の筋肉が泣きわめいてるけど、

そんなん気にしてられん。

根性論STEEELO 

 

 

 

 

沿道のオッチャンが叫んでくる。

 

 

 

まだサブ4間に合うぞっ

きついけど頑張ってこい

@オッチャン

 

 

 

そう、その言葉を待っとった。

もうやるしかねええ。

ラップスピードと経過時間だけチェキ。

残り距離の看板を見ながら

フルマラソンが終わってしまう事が

だんだんと切なくなってくる。

 

 

 

 

ラソンに奇跡は起こらんよ

どれだけ積み上げてきたかで決まる

@職場のアスリート

 

 

 

 

かなりのパンチライン

 

 

 

 

残り4km地点。

あと駕与丁公園1周分で終わり。

 

 

 

 

残り2km地点

ゴールが近付くにつれて

沿道の人がどんどん増えてくる。

 

 

 

沿道からハイタッチするオバチャン。

必死にタンバリン叩くオバチャン。

メガホンで声を荒げるオッチャン。

 

 

 

あと300mや最後出し切って終われ

@威勢のイイオッチャン

 

 

 

なはずがねええ。

まだ1km弱は残っとるハズやろ。

でもイイ出し切って終わる。

でももう出し切るモンが残ってねえ。

 

 

 

右折するとゴールが見えた。

電光掲示板に経過時間が表示されとる。

 

 

 

 

 

 

ギリギリやけど、まだ3時間台。

 

 

 

 

 

 

ゴール。

 

 

 

 

42.195km走った。

 

 

 

 

 

色んな事がこみ上げてきて

1人で咽び泣いた。

 

 

 

 

 

4時間切れた。

 

 

 

今までの練習が報われた。

 

 

 

 

ゴールしたランナーに向かって

大勢のスタッフ達が労いの言葉を

投げ付けてくる。

 

 

 

全く知らん人やのに泣けてくる。

もう言葉にならん。

周りに泣いてる人なんておらんのに。

 

 

 

 

小学生か中学生くらいのGALが

完走証メダルを首に掛けてくれる。

この演出もナンなんか。

前日受付から含めて当日スタート前

ゴール後まで運営が完璧過ぎるSKILL 

 

 

 

 

アクエリアス、メロンパン、

ソーセージが配られた。

 

 

 

 

着替えて外に出ると

私が最も愛する2人が出口に立ってた。

ニヤケ顔で手を振ってくる。

 

 

 

 

 

母親と父親。

北九州でCHILLしてたらしく

ゼッケン番号を追跡して

車で迎えに来てくれたありがてええ。

こちらも満面のニヤケ顔で合流した。

 

 

 

 

外では自衛隊が豚汁ふるまってる。

クッソあったけええ。

 

 

 

 

携帯見たら職場のアスリートから

メールがきとった。

 

 

 

このアスリート。

普段はクッソ怖いし言葉が重たい。

異常なレヴェルの威厳。

気軽に話し掛けるなんて有り得ん。

ミスして怒られたら3日は引きずる。

今後は優しく接してくれって

気持ちを込めて4時間切り達成を報告した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ランニング中に音楽聴かんかったのも

考えられん初めての事よ。

 

 

 

 

フルマラソンの向こう側には

ナンがあったのか。

 

 

 

当然やけど

完走した次の日からナニかが

変わるわけでもねえ。

また同じ様な毎日が待っとる。

 

 

 

目が覚めたらまた始まる朝

話は昨日のラストのまま

@JAMBO LACQUER

 

 

 

 

自分で決めた目標に向かって努力する。

それが報われた時の達成感。

これに尽きるんやないかね。

それがまた次に繋がるんやろう。

そんな当たり前の事を

今まで経験してなかったからこそ

ゴールで泣いてしまった。

 

 

 

この日の為だけに

長い期間かけて練習してきたんよ。

きついから歩きたいとか

リタイアしたいとか

弱気になる事も1度もなかった。

今回サブ4は間に合わんかもしれん

とは思ったけど、根性論で潰すSKILL 

 

 

 

また来年も出る。

あと、福岡マラソンか。

糸島走れるとか想像するだけで

我慢汁出るレヴェルやろ。

 

 

 

 

と、その前に

来月ハーフマラソンがある。

暫く休養してから、また始めよう。

 

 

 

北九州マラソンを走ったランナー、

ボランティアスタッフに

マッドリスペクト。

 

 

 

 

 

フルマラソン、タマランヨ。

 

 

 

 

もし出ようか迷ってるなら

取り敢えずエントリーしとけ。

当選せんと走れんのやから。